TIRF
クロマ製TIRF専用フィルターキューブについて
- 高SN比を作る二重フィルター構造
- 強固でダイクロイックミラーへの歪を抑えた金属製キューブ
- 歪のない反射レーザーを実現した厚くて平坦なダイクロイックミラー
TIRFは励起レーザーを「全内部全反射」することによって実現され、照射したレーザーのほとんどが対物レンズを通って返ってくるため、吸収フィルターではそうしたレーザーを減衰するという重要な役目があります。一分子TIRFやPALMやSTORMをTIRFを使って行うアプリケーションでは、照明光と蛍光信号の比率が10の15乗:1になると言われています。(*1)
標準的な顕微鏡で使われるフィルターセットのダイクロイックミラーは入射角で45度、レーザーの遮光性は概ねOD2(100分の1)になります。典型的な吸収フィルターのOD値はOD6からOD7です。TIRFを用いたアプリケーションで最適な画質を得るため、頻繁に追加のブロッキングが必要とされます。その際吸収フィルターをペアにして使用することでSN比が増加することが測定によって実証されています。これは、フィルターキューブにバンドパスフィルターとロングパスフィルターをペアにして装着させるか、フィルターキューブにマルチバンドパスフィルターを入れシングルバンドパスフィルターをフィルターホイールに入れてペアで使うかのいずれかの方法で実現できます。
当社のTIRFセットは、非常に高いレベルでレーザーをブロックし可能な限り最高のSN比を確実に得るツールを提供します。また金属製TIRF専用キューブに取り付けられた当社独自のUltraFlatダイクロイックミラーでは、反射したレーザーが歪まないようにする工夫が施され、完璧なエバネッセント波を形成します。
1. Betzig, E. et al. Imaging intracellular fluorescent proteins at nanometer resolution. Science 313, 1642–1645 (2006). Supporting Online Materials
強固でダイクロイックミラーへの歪を抑えた金属製キューブ
当社は、現在のニコン、オリンパス、ツァイスの顕微鏡に適合する、歪のない金属製キューブを自社ブランドで提供しています。顕微鏡メーカーのフィルターキューブには2mmまたは3mmの厚さのUltraFlatダイクロイックが取り付けられないため、そうした厚いダイクロイックミラーが取り付けられるフィルターキューブが必要になります。当社のTIRFキューブは、ばねや押さえ板を使用せずにダイクロイックを固定し、入射角が45度ピッタリになるように調整されています。調整はお客様が行うことも可能です。
ばねや押さえ板による固定方法では、ある程度の曲げ応力やねじり応力が加わり、その結果ダイクロイックの表面に反りが生じます。そのため反射したレーザービームに歪みが生じ、TIRF、STEDやPALM/STORMや構造化照明など他の超解像技術、さらには画像分割など、非常に平坦な反射面を必要とするアプリケーションにおいて問題を引き起こす可能性があります。
当社のTIRFキューブは、ダイクロイック取り付け時のストレスをなくし、反射レーザーの歪をおさえ、完璧なエバネッセント波を提供します。
歪のない反射レーザーを実現した厚くて平坦なダイクロイックミラー
当社は、高レベルの表面平坦性を要求するアプリケーション向けにUltraFlatダイクロイックを製造しています。また、TIRF、超解像、画像分割など、歪みなく反射することが重要な様々なアプリケーション向けに、キューブに組み込んだカタログフィルターセットも提供しています。これらには、1インチ当たり0.5波長P-V、0.1波長RMSの平坦度を持つダイクロイックミラーが含まれます。詳細は下記の「how we specify surface flatness」と、下記の表「平坦度の仕様」を参照してください。
ここでは、平坦性と曲率に関連し、ダイクロイック表面がどの程度湾曲しているかについてを示します。表面の曲率は、凹と凸に応じ反射光の収束または発散を引き起こします。これにより、反射した際には常に波面歪み(RWD)が発生します。そればレーザーでも基本的なイメージングでもTIRFやSTEDやSIMなどの先端的な方法でも、さらには分光イメージングでの反射画像でも同様です。
スパッタされた薄膜は、ガラス基板と溶融石英基板に応力を加え、それらをさまざまな程度の曲率に反らせます。 当社は、表面の湾曲を最小限に抑える独自の製造方法を開発することにより、これを大幅に制御する方法を取得しました。表面の湾曲を減らすもう1つの要素は、より厚い基板を使用することです。これにより剛性が高くなり、コーティングによって加えられる応力に対する抵抗が大きくなります。
これら2つの要素を組み合わせ、当社は厚さに応じてダイクロイックミラーの平坦度を指定できるようにしました。その結果、当社のUltraFlatダイクロイック( 末尾に-UFを付加)は、コーティング後の平坦性に関して、次の仕様を提供しています。
ガラス厚 | 表面平面度 | アプリケーション |
---|---|---|
1mm thick: | =/< 2λ/インチP-V | 標準のレーザーフィルターセット |
2mm thick: | =/< 0.5 λ/インチP-V | TIRFフィルターセット、PALMおよびSTORM |
3mm thick: | =/< 0.25 λ/インチP-V | STEDおよび構造化照明 |
=/>5mm thick: | お問い合わせください | カスタムアプリケーション |
UltraFlatダイクロイックの平面度は、レーザー干渉法を使用して測定されます。平面度に関してさらに重要なのは、ダイクロイックがどのように保持または収容されるかです。 機械的手段によって所定の位置に保持されると、最も平面度の良い光学部品でさえ、さまざまな程度で反ります。 下記の「ダイクロイックの保持」を参照してください。
注意:すべてのレーザーダイクロイックの部品名は、「ZT」という接頭辞で始まります。 通常、基本的な落射蛍光広視野アプリケーション(「T」の接頭辞)のカタログのダイクロイックは、非コヒーレント照明では必要とされないため、平面度は制御されません。 ただし、上記のUltraFlatタイプのものは、広視野用ダイクロイックミラーでも提供しています。
ダイクロイックの保持
ダイクロイックがフィルターキューブに保持または収容される方法は、実際のアプリケーションでの実際の平面度に劇的な影響を与える可能性があります。
主要な顕微鏡メーカーは通常、標準のフィルターキューブに1mm厚のダイクロイックを指定しており、これらはスプリングまたはクリップによって機械的に固定されていることがよくあります。 多くの場合、これは、共焦点やレーザー照明を用いた落射蛍光、フォトアクチベーションおよびレーザーアブレーションなど通常のレーザープリケーションにおいて厚さの1mmのダイクロイックを保持するのに十分です。 当社の1mm厚のUltraFlatレーザーダイクロイックは、1インチ当たり2波長より良いピークバレー(P-V)平面度を有し、必要な平面度を提供します。しかしながら、ダイクロイックを保持するいかなる機械的手段も、ある程度の圧迫またはねじれを導入し、それは常にダイクロイックの表面の反りをもたらします。
TIRFやSTEDなどのより要求の厳しいレーザーアプリケーション、または構造化照明や一部の反射画像アプリケーションでは、より厚いUltraFlatダイクロイックがはるかに優れた結果を提供します。 これらのダイクロイックを最適に保持するために、Chromaは、現在設計されているほとんどの顕微鏡モデルに適合し、最大3mmの厚さのダイクロイックに対応できるようにカスタム設計し、そして製造された金属製顕微鏡キューブを提供しています。 これらのキューブは、バネとクリップを使用せずにダイクロイックを固定し、正確な45度の入射角で止めネジを使用してChromaで組立られます。 アライメントはお客様が調整することもできます。
独自のホルダーまたはマウントを使用する場合は、反りを最小限に抑えるために上面/底面をつまむのではなく、外縁に最小限の圧力をかけることで保持することをお勧めします。 電話または電子メールで、提供可能なサイズと厚さの範囲についてご相談ください。
表面の平面度の指定方法
私たちが測定する表面の平面度のパラメーターは、ピークバレー(P-V)変形と呼ばれ、レーザー干渉法によって決定され、wave/inchまたはλ/inchで表されます。 測定ではダイクロイックの曲率と表面の不規則性を含み、開口部全体の最大変形を測ります。ダイクロイックなどの平面光学部品の表面平面度測定は、ISO規格に準拠しており、干渉縞で表されます。 これらは、レーザーが測定する表面で反射されるときに、ダイクロイック基板の材料と空気の屈折率の差の結果として現れる干渉パターンです。
干渉縞の数は、測定する表面と「オプチカルフラット」(理想的な光学的平面)との偏差を計算するために使用されます。これは、干渉計で最も頻繁に使用されるレーザーである633 nmの波長を使用して測定します。
場合によっては表面の平面度を曲率半径(ROC:Radius of Cutvature)で表すことがあります。ROCは、平面光学系の表し方としては、あいまいで紛らわしい表現です。 ROCは、曲率の値が比較的大きいレンズメーカーで主に使用されます。平面度の仕様がROCにどのように関係するかの例として、0.5波/インチの表面の平面度が254mの曲率半径に等しいと考えてください。 ROCは、測定された光学系の曲率と同等の表面曲率を持つ球の半径で定義します。
別の方法として、表面の均一性を示すRMS(二乗平均平方根)のパラメータを使用する場合もあります。薄膜コーティングの結果として生じる表面の歪みは球形の歪みになるため、RMS値は通常PV値の約4分の1以下になることを意味します。従って同じダイクロイックミラーの表面の平面度を表す場合、 RMSはP-V値よりも小さい値になります。
同じ表面曲率の場合、これらのパラメータのさまざまな測定値は、P-V>曲率>> RMSのように変化します。
場合によっては、P-V平面度は、10mmまたは15mmの小さな有効径領域で定義されます。上記の値は、1インチというより大きなスケールを使用しているため、同じ曲率の値が大きくなります。
測定長と平面度の関係は非線形です。変形はコーティング応力による主に球形の曲率であると仮定すると、これは簡単な2次式で表すことができます。有効径の半分のところで測定された値に対し平面度を計算すると、測定された波数の4分の1になります。分母が「x」だけ変化すると、分子がxの2乗変化するためです。従って 1インチで2波長P-Vを持つ光学部品は、0.5インチで0.5波長P-Vと等価です。
曲率またはRMSで表される表面の平面度をご希望の場合は、ご要望に応じて提供します。
最後に、ダイクロイックを保持または収容する方法は、イメージングシステムで使用する場合、実際の平面度に大きく影響することを覚えておいてください。
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